24Mar

むかし、姪っ子が自転車に乗ろうとしていて、ちょうど彼女の親が自転車の補助輪を外していました。
いざ、補助輪を外すと、昨日までちゃんと乗れていたのに、今日はうまく自転車に乗ることができず、ゆらゆらと揺れながら自転車に乗っていたのです。
「あれ、あれ」
と不安そうな顔をしながら補助輪の外した自転車に乗っていました。
さらには、とうとう転んでしまい、痛そうに顔をしかめながら起き上がっていました。そんなときに姪っ子が泣きそうな声で、
「自転車の補助輪つけてよ」
と言っていました。
泣いている彼女を見て、やさしく補助輪を外してあげたかった。
でも、それをつけることは簡単で一時は喜ばれるかも知れないけれども、そんなことは姪っ子のためにはならないのです。
自信を失いかけた姪っ子に対して僕のできることといえば、ただ
「がんばれ、がんばれ」
ということしかできなかった。不安で怖くても、頑張って乗り越えなければならないことだから。
そんな風景を見ていたときに、ふと、人間の成長するときってこんな風じゃないのかと思ったんです。
不安を感じるようになったり自分はダメなんじゃないのかなって思えた時ほど、人間って成長していると思ったんです。
逆を言えば、全てにおいて自信満々で進んでいるときほど、実はまったく成長していないのかもしれません。
怖くても不安でも、それでも乗り越えなければならない。その超えた先に、人の成長というのがあるんじゃないのかなって思えたんです。
不安や恐怖におびえている人に対して僕ができることは、あいもかわらず、
「がんばれ、がんばれ」
と馬鹿の一つ覚えのように、言うことしかできないんです。
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